会長挨拶

 5月1日、皇位継承が行われ新天皇の即位と共に、いよいよ平成が終わり、令和の御代が幕を開けました。

 振り返ってみれば、平成の30年は激動の時代でした。バブル景気のピークとともに迎えたものの、間もなくバブルは崩壊し日本は俗にいう「失われた二十年」に突入、不良債権処理の遅れによる金融システムへの不安や国際競争力の低下、そして総理大臣が毎年変わるという政治の機能不全などにより、株価は長期低迷に陥り一時は最高値の5分の1以下まで落ち込んでしまいました。多くの企業は採用を減らし、就職氷河期と言われた時期が長く続いた為、フリーターや派遣など非正規雇用者の増加に繋がり、低賃金、年金未加入など将来に不安を抱く世代が多く生まれています。2012年末に第二次安倍内閣が発足し、アベノミクスによりようやくデフレ脱却、景気回復、増収など経済状況は好転しましたが、一方で少子化などによる人手不足が、特に我々中小零細企業には深刻な問題となっています。

 またこの間には多くの犠牲者が出てしまった阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震などや各地での台風、大雨による大水害など未曾有の大災害が相次ぎ、深い悲しみが未だに記憶として残っています。自然災害の発生は無くす事は出来ませんが、インフラの整備や常日頃の備えを怠らず、減災に積極的に取り組むなどして、令和の時代が災害の少ない平和で穏やかな日々であってほしいと思います。

 令和元年の今年は、港南区制50周年という記念すべき年でもあります。港南区では「愛あふれる・ふるさと港南に」を50周年記念事業の基本テーマとしました。これは今まで皆で育んできた「あいさつ」「ささえあい」「たすけあい」「みまもりあい」等、たくさんの「愛」の輪を50周年をきっかけに未来を担う子供たちにつないでいきたいという思いが込められています。区内の各団体による記念イベントも多数開催されております。メインとなる記念式典及び記念イベントは11月2日(土)、毎年恒例のこうなん子どもゆめワールド開催時に「ひまわりフェスタ2019」として、様々な催しが行われます。港南区工業会に於いてもその一環として港南スポーツセンターをお借りし、区民の皆さんにも参加をしていただける「おとなの体力測定」というイベントを開催いたします。握力、反復横跳び等、昔懐かしいスポーツテストを行い、今の自分の運動能力を把握することでこれからの健康について考え、生活習慣を見直すきっかけにしていただきたいという思いで企画いたしました。会員の皆様はもとより、ご家族、従業員の皆様にもこの機会に是非チャレンジをして頂き、区制50周年、そして地域に根ざした港南区工業会の活動を一緒に盛り上げて頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願い致します。

令和元年9月30日 港南区工業会 会長 稲村直之