会員会社訪問レポート   株式会社キクシマ様

モノと心の建設をめざして
今年で創業42年目を迎える株式会社キクシマ
会社と共に港南台で生まれ育った若き菊嶋社長を訪ねた

取材:木村圭吾(横浜国立大学2年)

 

 

 

主に鉄骨の溶接と骨組みを作る鉄工場として、この地に創業して42年。20年ほど前より建物の設計から施工まで建設全体を手懸けるようになり、現在ではクライアントとデザイナーの仲介を担うことでよりクライアントの要望に近づいた建築を目指しているという。まだまだ公共機関からの受注に大きく依存している建築業界の中で、いかに民間へ溶け込むためのノウハウを開拓していくか。

技術・通信の発達によってクライアントの個性を最大限に生かす環境が整い始めた近代建築の長所を駆使し、“顧客との信頼関係を育む”という理念のもとに日々の仕事で最善を尽す。

西鎌倉のデザイナーズ住宅
引渡し完成時にお贈りするワインがお客様との関係の始まり 熱っぽく語る菊嶋社長
株式会社キクシマにとっての家造りとは、家を建てて終わりはしない。家を引き渡してからがスタートなのだそうだ。
建物とは移りゆく時間のなかで自らも刻々と変化する、まさに生き物。季節や用途による住人のニーズに100%応え続けるものであるために、キクシマは責任を負い続けることを重要に思っているという。その気持ちは建物の引き渡しと同時に手渡すワインに込められている。ラベルには完成直後の内装と外観をプリントしたものを。20年30年と愛される建物となるように、そしてクライアントとの付き合いも20年30年と続くように。いつか今日という記念日をみんなで祝える日が来ることを願ってのサービスだ。キクシマが一番大切に考えていることは人と人との繋がりなのだ。それは何も顧客に限ったことではない。一つの建築のために力を合わす百人以上の仲間たち。建築という仕事の基本は現場にあり、そこで働く全ての人が泥にまみれることを尊く想い、力仕事をやりがいと感じる環境が永く愛される建物を生み出す要素なのだそうだ。一見、建設業とはハード面が基本の職業だと思われがちだが、キクシマにとっての建築とは人の心によって生まれ支えられてゆくものなのだろう。

 

■取材後記
  私たちがインタビューに伺ったとき、菊嶋社長が始めにお話下さったのは意外にも建築の話ではなく、自身が幼い頃から現在に至る会社近辺の地理の変化や港南台という町の変遷、そして思い出話の数々でした。「地域で愛され、社会に貢献する会社でありたい」県内の公共施設耐震補強実績ナンバーワン、町のチャリティーバザーにも会社として参加している事実が社長のいう会社の将来像を物語ります。リベラルな感性で港南台より新たな建築を提案し続ける株式会社キクシマ。港南台を愛し人間味に溢れたこの建設会社は、建築する建物と同様に、一学生としての私の目にもとても魅力的に映りました。

 

■会社概要
商号 株式会社キクシマ
代表者 菊嶋秀生
所在地 (本社)神奈川県横浜市港南区港南台4-39-7
(工場)神奈川県横浜市港南区港南台4-38-1
電話 045-833-3663(代)
資本金 5,000万円
従業員数 52名
ISO9001:2000 建築工事・鋼構造物製作工事・耐震補強工事
事業内容 ・総合建設業・注文住宅の建築・リフォーム・増改築・鉄骨加工業・
土木工事・不動産業務・損害保険業務
ホームページ:http://www.kikushima.co.jp/

取材日:2006年10月
取材:木村圭吾(横浜国立大学2年)