改めて気づく「モノ」の大切さ。 |
(株)嶋村製作所様では通信機器のア ンプ等、私たちに身近な製品を製作されています。今回はアンプの基盤づくりの現場を中心にレポートします。
代表取締役 小山 武 取材:平野真由(法政大学4年) |
今回は栄区の静かな住宅街にある「(株)嶋村製作所」様を訪問しました。 (株)嶋村製作所様は現在の社長・小山武さんの先代が、昭和42年に創業されました。現在は従業員10数名でCATV等通信機器のアンプや電子機器基板などを製作されています。 港南区工業会に入会されたのは、以前港南区にも工場があった経緯で、先代が工業会の副会長を務められていたこともありました。(株)嶋村製作所様では、電子機器基板を組み立てる作業を行います。マウンターという機械で基板上にチップをのせた後、炉に通しその後手作業で部品の挿入や半田の修正、動きの調整などを行います。製品によっては1日で1組出来るかどうかの大変繊細な仕事です。 |
マウンターによる作業。自動で部品の一部を基 盤にのせていきます。作業の様子。小さな部品を組み立て調整する、 根気の要る作業です。 |
数を多く生産する大手工場では全工程を機械で行いますが、設備にお金がかかる上、最近では質の問題もよく取り上げられるので、「できるだけ機械を使用し正確にスピーディーに作業ロスを無くして、どうしても人でしかできない様な所だけ人に頼る」という考えで実践されているそうです。。 また有害物質である鉛を使わない「鉛フリー」の製品も生産は行っていますが、代替品のスズや銀は鉛の4倍もの価格であることもあり、一部大手製品を除きまだ鉛が主流だそうです。この近辺では珍しい「工場」なだけに、地元の小学生が会社訪問として見学に訪れたり、また社長のお兄様が教員として働いておられる関係で、生徒である中学生が実地研修として訪問することもあるそうです。 一つ一つの基板が手作業で丁寧に製作されていく様を見て、改めて「モノ」の大切さに気づかされた訪問となりました。 |
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製作所の外観。街の中にある工場には懐かしさを 感じます。 |
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「これがね、横浜のメッキ工場の始まりらしいんだよ。」そういって社長が奥から取り出したのは美しく装飾されたダムシンだった。大正の初期に、外国人向けのシガレットケースなどの装飾の手法の一つとしてこの地でメッキ工場が盛んになったという。 その後、産業化したのは車のバンパーであったり、車体や部品の防錆であったりと、我々がイメージするようなピカピカなメッキが主流となったからである。これらに共通しているのはメッキが装飾的な作用として使われていることである。 しかし、技術の発展は軽量細小を実現する。メッキは装飾だけではなくそれ自体で機能を与えるような技術へと成長していきたいとお二人は口を揃える。 港南の味わい深い町工場がさらなる歳月を重ね、歴史と共に今を支える技術を伝え続けることを期待したい。 |
小山社長 |
■取材後記 | |
地域の学生に研修を兼ねて会社訪問を行い、取材レポートし ていただきました。。 今回は、法政大学人間環境学部4年の平野真由さんのレポー トです。 |
■会社概要 |
商号 株式会社嶋村製作所代表 代表取締役 小山 武 所在地 横浜市栄区元大橋1丁目15-6 電話 045-891-6035 FAX:045-894-6392 創業 昭和42年従業員 13名 事業内容 通信機器・産業機器・電子機器製造 |
取材日:2007年9月 取材:法政大学人間環境学部4年平野真由、写真:広報情報部 |